Mの旅日記 〜アラサー社会人の冒険〜

都会と社会と仕事から逃げるように始めた、アラサー1人旅の記録です

ニュージーランドの冒険・4/6 ~世界一美しい星空~

昼間の散策を終え、テカポで夜を迎えました。
テカポ湖の星空は、世界一美しいと言われています。一体どんな星空なのか、大きな好奇心に駆られ、テカポ湖での星空撮影に挑みます。

世界一の星空とは

純粋な星空が見えるかどうかは、街灯などの人工的な光(光害)がいかに少ないかにかかっています。
そんな光害から夜空を保護することを目的とした、国際ダークスカイ協会(IDA)というNPO団体があります。
IDAでは、光害の影響をほとんど受けていない、純粋な星空が見える地区をInternational Dark Sky Reserve(「星空保護区」なんて訳されることが多い)として定めています。その一つが、ニュージーランドのテカポ湖を含む、アオラキマッケンジーという地区です。

テカポ湖や周辺の山々もとても美しく、また、そんな自然と見事に調和した、良き羊飼いの教会などもあわせて、とても素晴らしい景観を生み出しています。その写真は、だれでも一度は見たことがあるかもしれません。

そんな聖地が、目の前にあって、雲一つない晴天にも恵まれるという、最大のチャンスが訪れました!

空気がとても澄んでいて、空がきれいです

月が沈んだ真夜中、湖へ

今回、月が半月を過ぎて満月に近づく頃だったので、日の入り(19時ごろ)後に星空を見ようと思っても、月明かりに邪魔されて本来の星空を見ることができません。
なので、月が沈むまで宿で待機します(月の出・月の入の時間は、世界中でだいたいどこも同じ時間)。

ねこと一緒に待機(向こうは嫌そうでした)

深夜3時。
若干、眠気があるものの、真っ暗闇の道を、テカポ湖に向かって進みます。

小笠原諸島・父島の時と同じ、暗闇と孤独の恐怖を感じましたが、父島と違って、ジャングルでなく遊歩道なのと、民家が見えるところにあるので、多少、心が落ち着きます。

湖に近づくと、天然の芝が広がっているのですが、野ウサギが歩き回っていました。ピョンピョン跳ねる後ろ姿がかわいくて、暗闇の恐怖から癒やされました。

追いかけ回してるわけじゃありません


美しい湖・美しい天の川・自然と調和した教会

テカポ湖に着くころには、目も暗闇に慣れてきて、空を見上げると、本当にきれいな星空が広がっていました!

昼間の散歩がてら、目星をつけた撮影スポットに行きます。
まずは、有名な、良き羊飼いの教会で撮ってみました。
何枚か練習で撮ってみて、より肉眼に近いカメラの設定(今回は、露出15秒・絞り1.8・ISO1600)で撮りました。


良き羊飼いの教会と天の川1


良き羊飼いの教会と天の川2

綺麗ですね!

しかし、写真の下の方が少し明るくなっています。ビレッジセンターの光を拾ってしまっている影響です。

また、教会の周りには、僕と同じく天体写真の撮影に来ている観光客の方がそこそこいました。
途中、中国人のおっさんに、めっちゃ中国語で話しかけられたりします(中国語わからんよ^_^;)。

人がそこそこいると、どうしても懐中電灯の光を拾ってしまうので(これは仕方ない)、教会から少し離れた、人気のないところに移動しました。

湖の直前(ドボンに注意)

ここなら人は誰もいません。しかし、ウサギもいなくなってしまったので、孤独感がハンパないです。
ただ、ビレッジ・センターの光も直接は届かない場所なので、光害の影響を最小限にして、撮影することができました。

天の川


テカポ湖と天の川

また、大マゼラン雲、小マゼラン雲も見ることができました。どちらも、天の川銀河を公転する伴銀河です。

真ん中やや左の2つのぼやっとしたもの

光害の影響は

お店もだいたい夕方には閉まってしまいますし、道路脇の灯りも、オレンジ色に減光されたものを使っていました。
この辺りは、さすが、星空保護区に選ばれるだけあります。

しかし、お店や宿が集まるビレッジ・センターでは、一部の灯りがずっと点いたままでした。

右下のほうにビレッジ・センターの灯りが見えます

この影響のためか、星空写真の下の方が薄く光っているように映ってしまうことがけっこうありました。
なので、もうちょっと、村から離れた場所(マウント・ジョンなど)であれば、本当に光害のない、きれいな星空が見えたのだと思います。

僕がいたこの地に関して言うと、「日本の青ヶ島の星空のほうが綺麗かもしれない」と思いました。
あそこは断崖絶壁の孤島で、人が簡単に出入りできないがために、人による開発が難しく、光害の影響が一切ありませんでした。

テカポ村では、工事中の場所がいくつかあり、重機もありました。これからも開発が進んでいくのでしょう。
それはつまり、この星空は段々と見えなくなってくことを意味します。
しかし、開発が進まなければ、自分もバスでここまで来て、宿に泊まって、食料を買って、快適に過ごすことはできなかったです。うまく自然と調和して、人々が暮らしていけると良いですね。

とはいえ、多少光害があったにもかかわらず、ここまで美しい星空を見せてくれたのは、本当に世界一の実力を有するからなんだと思います。

続いては、このテカポ湖を見下ろせるマウント・ジョンに登ります。
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