地球探訪

都会人が行く、地球冒険の旅

慎重・繊細・孤独・良心、そして宇宙への感動。全てを合理的に説明できる”HSP”という気質について

(本文を読みやすいように少し編集。参考書籍をいくつか追加。7/22)

心理学の本をいくつか読んでいて、自分の気質に関する発見があったので、まとめることにしました。

それは、「HSP(Highly senstive person)=とても敏感な人」という人の生まれ持った性質のことで、これによって、普段の生活の中で感じていた「ある生きづらさ」と、旅の中で感じた「ある感動」を上手く説明することができるようになりました。

HSPとは

まず、僕が感じていた、「ある生きづらさ」について、一例をあげます。

大人数の飲み会は、とても疲れるので、できれば出たくないのですが、何となく、断りづらい空気を感じて、本心に反して参加してしまったりします。
実際、参加してみると、30分後くらいには、居心地が悪くなり、思うように発言できなくなります。
やっとの思いで家に帰ると、ぐったり疲れてしまって、翌日も気分は優れず、仕事もやる気がおきません。

もう一つは、「ある感動」について。

僕は星空や自然の風景を見るために、ときどき一人旅に出かけます。
旅は孤独で、不安も大きいのですが、それでも、美しい自然や可愛らしい動物、広い宇宙を見ると、とても幸せな気持ちになれるので、旅に出たいと思います。
しかし、その気持ちをうまく説明できないので、「なぜ星空を見に行くの?」と聞かれると、内心困ってしまいます。

この2つの、全く関係のない悩みが、HSPという気質によって説明できました。

HSPとは、その名(とても敏感な人)のごとく、「自分を取り巻く環境から発せられる信号や刺激(人の表情など目に見えるものから、電磁波など目に見えないものまで)を、無意識で受け取る能力(感受性)が高い、敏感な人」です。

その感受性は、普通の人が気づかない、何気ない自然風景に感動できるなど、良い面がある一方、多くの人の表情や感情、人工的な音・光を普通の人の何十倍も多く受け取ってしまい、脳をパンクさせ、消耗させるという、その人を苦しめる側面があります。

HSPの特徴

HSPの概要に触れましたが、HSPの人に見られる特徴をざっと挙げてみます。

  • 人がたくさんいる場所を避ける
  • 一人の時間を大切にする
  • 初対面の人をとても恐れる
  • 知人・友人をあまり多く作らない
  • 数少ない親友を大切にする
  • 根が優しい
  • 植物や動物を育てるのが好き
  • 自然が好き
  • 自分の世界に没頭する
  • 慎重でよく考える
  • 決断の前にあらゆる手段を考える
  • 仕事のミスが少ない
  • クヨクヨしやすい
  • あまり喋らない
  • 心が繊細で傷つきやすい

いくつか挙げましたが、これは自分の性格として自覚していることだったり、よく人に言われたことです。

調査によれば、5人に1人が、このHSPだと言われています。けっこういます。
正直そんなにいるようには思えないのは、このHSPの人が、HSPでない振りをして生きていること、あるいは、そうでないように生きるよう人格を矯正されたことによるそうです。

・・・たしかに、なんか無理して生きてるな、という人はチラホラ見かけます。

現代社会とHSP

自己主張がしっかりできて、ストレスにも動じない、言葉のキャッチボールが得意な人が、優れた人材だとされる風潮が、今の社会にはあると思います(特に男性)。

実際そういう人は管理職に多く、表舞台に立つことも多いので、有能なイメージが世間一般にあります。
クラスの人気者や、モテる人、カリスマ、など。

なので、それとは正反対の性質を持って生まれることは、社会の中で生きていくには不利とされてしまいます。
したがって、幼少期にそのような性質を示せば、親や先生からは心配され、「もっとしっかり主張できるようになりなさい」と言われ、性格を矯正するような躾をされることもあります。

実際、僕自身も、自分の性格が今の社会を生きていくのに不都合だと思い、後ろめたさや劣等感を強く感じていました。
なので、そういう理想の社会人になるために、必死に努力しました。
多少はその甲斐もあり、人前で喋ること、動じない振りをすること、人並以上の技術力を身につけることなどはできるようになりました。
しかし、「できる人」と呼ばれる人を見ると、まだまだ及ばない性質がいくつもあり、それを克服しようと思うと、吐き気がするくらい限界を感じていました。

これは、僕に限らず、HSPの人が真剣に悩んでいることだと思います。
幸いにも、この研究や啓蒙活動が行われるようになり、生きづらさの解消になるヒントが提唱されてきているように思います。

辛かったこと・傷ついたこと

生きづらさ解消の一歩を踏み出すために、自分がどんな場面で辛い気持ちになったり、心に傷を負ったのか、分析してみました。
ここでは、僕の例を挙げますが、HSPの人であれば、似たような経験があるかもしれません。
HSPでない人にとっても、人間関係のヒントになればとと思います。

家庭

僕は中学生くらいの頃から、親や家族、親戚とすれ違いを起こすようになり、かなり大きな怒りを覚えることがありました。
しかし、その怒りは、心の中にとどまり、表に出すことができなかった結果、今でも、心の傷として残ってしまったのだと思います。

  • 親と親戚が、僕の失敗談や恥ずかしい話しで、ゲラゲラと笑い声を上げて盛り上がっていた
  • 大学受験のとき、僕が決めた志望校に対して、親が怒りを露わにして説明を求めてきた
  • 「どこ行ってきたの?」「何食べたの?」「誰と遊んだの?」と毎日のように親に聞かれた
  • 自分のやりたいことを話しても、そこに危険があると、その手段を隠されたり、やめるように言われた

親にとっては、ただの雑談、子供自慢、保護のつもりだったかもしれませんが、HSPの自分にとっては、不快な思い出として、脳裏に強く記憶されてしまいました。
特に思春期以降の過保護は危険だと言われており、子供にとっては「監視」や「支配」であり、一生かけても修復できない関係になる場合もあるとのこと。これはすごくわかるような気がします。

学校

弱々しい雰囲気を醸し出すHSPの人は、いじめに合いやすいと言われています。
実際、僕も辛い思いをしたことはあり、先生の言葉に傷つけられることもありました。
ただ、そのとき守ってくれる仲間がいたこともよく覚えています。

  • サッカーの練習試合で、普段仲の良い友達に、悪質なファールを受けた
  • 部活のために、体育館の使用許可をもらいに体育教師のところに行ったら、お前がそんな部で活動してるわけない、とからかわれた
  • 進路相談で、先生に自分の夢を話したら、全く相手にされず、バカにされた
会社

社会に入ると、人材の競争に直面し、強い劣等感を抱くことがありました。それゆえに、人の期待に応えようと、自分の本心を殺してしまうこともありました。
社会には、理不尽な側面や偏見があり、差別的な嫌がらせを受けることもあります。2次障害が発生しやすいのも、この時期なので、要注意です。
しかし、ここでもやはり、守ってくれる人の存在が心に強く残ります。

  • 魅力的な役割だと言われ、引き受けた仕事が、良心を利用した責任転嫁だった
  • それまで普通に仕事をしていた同僚が突然キレだして、誹謗中傷の言葉を浴びせてきた
  • 自分がやろうとしたやり方に、ああした方が良い、こうした方が良いと口うるさく言われた


振り返ってみると、とても辛かった場面がいくつもあるのですが、そのとき味方になってくれる人の存在は、やはり大きいなと思いました。
数少ない親友を大切にするというHSPの特徴は、ここから来てるのかもしれません。自分の生存のために、極めて重要な存在なんだと思います。(逆に、家族や親戚とすれ違ったままなのは、そういう理解者がいなかったからなのだと思います。)

嬉しかったこと・感動したこと

HSPは、多くの生きづらさを経験してしまう一方で、すごく小さな、些細なことに感動できる一面があります。
僕の例を紹介します。

学業

HSPは、自分の内面と向き合い、一人の時間を大切にするので、勉強に集中できる環境があれば、学業の成績が上がりやすい傾向があるそうです。幸運なことに、僕自身はこれに当てはまったと思います。

  • 美術の模写がかなり得意で、それを見てくれた友達が、すごく褒めてくれた
  • 中学でも高校でも、テスト結果がトップクラスで、周りの生徒が讃えてくれた
  • 学業の良さが学年全体にも知れ渡り、特に声を上げなくても、人気者になった
  • 学業を競える友達や、勉強を教えて欲しいと言ってくる友達ができた
  • 東大大学院に合格できた
  • 研究のために沖縄沖への航海に参加することができた

HSPは芸術家や研究者に多いそうですが、わかる気がします。

私生活

子供の頃には、誰もが感動する部分があるかもしれませんが、大人になっても、同じような気持ちになれるのがHSPの特徴だったりします。

  • 遊びに行った田舎で、星空がとても綺麗だった
  • 川で捕まえた魚やエビを水槽に入れて見ると、その姿が美しかった
  • 飼ってる魚や昆虫が成長して、子供を産んだり育てると嬉しかった
  • 親戚や遊びに行った家で飼ってる猫や犬が甘えてきて嬉しかった
  • 小学校で、喧嘩になりそうになったとき、友人が体を張って守ってくれた
  • 小学校で、仲間はずれにされたとき、友人がそれを怒ってくれた
  • 手に包帯を付けて満員電車に乗ったとき、知らないおじさんがスペースを作って守ってくれた

このブログでも伝えてますが、僕は30歳を過ぎてから、一人旅に出るようになりました。
行き先は、だいたい孤島など自然が多く残っている場所で、自然美に加えて、人間味にも感動したりします。

  • 旅路での孤独がとても怖い分、宿やお店で出会えた人と言葉を交わすと、全身が安堵感に包まれた
  • ゲストハウスで会った人と、お互いの旅の話をすると、本心で共感できて嬉しかった
  • 光害がほとんどない場所で天の川を見た時、宇宙に浮かぶ銀河系の姿をイメージできてスッキリした
  • カーテンのようにゆらゆらと揺れるオーロラが、頭上に現れ、全身が魔法で包まれたような感覚になった


大事なのは、このような感動を大切にすることなのだと思います。
たとえ、周囲に笑われたり、理解してもらえなくても、自分がどんな瞬間に感動できたのかわかっていれば、それを生き甲斐にして、人生を幸せな方向に変えていくことに繋がるのだと思います。

子供のうちは、感動を大切にするなんてことは難しいかもしれないので、親や友人が一緒に感動したり、喜んであげることで、子供は自分の感情を肯定できるようになり、自信につながっていくと思います。

これから、どう生きていくか

HSPという言葉を知った当初は、自分の行動や悩みをズバズバと当てられてしまった衝撃に、怖さや悲しみを感じました。
しかし、社会が理想としてる「できる大人」「できる社会人」「できる男」を無理して目指さなくて良いんだとわかって、少し安心しました。
ただ、これから先、ずっと生きていく中で、辛い場面は多々あると思います。なので、その時に備えて、知恵を蓄えておこうと思っています。

無理をしない勇気

HSP書物を一通り読み終わって、真っ先に思いついたのが、「無理をしない勇気」でした。もう少し具体的に言うと、「正直に、自分の言葉や行動で断る勇気」です。

空気を読みすぎて、相手に合わせるあまり、自分に無理をしていたことが、多々あったなと反省しました。飲み会への参加もそうでした。
それによって、周りにも自分を誤解させてしまったように思います。
なので、「自分はこういう人間なんだ」というのは、ちゃんと言ったり、行動で示さないとダメなんだと思います。

仕事も同じだと思います。
日本は未だに、残業する人=仕事ができる人、という風潮があります。しかし、それに合わせていたら、いつまで経っても、悪しき文化は変わりません。自分が1日にできる仕事の量を把握して、それ以上は無理だと主張していこうと思います。

場合によっては、理解してもらえないかもしれません。相手の反応によっては、傷つくかもしれません。
それでも、自分を守るために、トライしていこうと思います。
どうしても通じなかったら、その時は、職場を変える選択をすれば良いのだと思ってます。

社会は良い方向に変わり始めている

少しずつではありますが、個人的には、HSPにとっても生きやすいように、社会が変わってきているように思います。

それは、インターネットの力によるものが大きいでしょう。
特にSNSは、一人で過ごしつつも、人との繋がりを適度に保てるので、良いのではないでしょうか。
差別的発言や行動、不正行為なども、SNSですぐに拡散されてしまうので、権力者が横暴に振る舞うようなことがしにくくなっているように思います。

他にも、映画や音楽のデジタル配信、電子書籍など一人で余暇を楽しめるサービスが増えてきました。

また、スマートフォンの普及で、旅をしやすくなったことも好都合だと思います。
自然が残る孤島や海外にだって、簡単に行けてしまうので、これを使わない手はないでしょう。
最近、一人旅の方が増えているのも、このためだと思います。

自分に無理せず、幸せを求めて生きていく道を歩んでいきたいです。

HSPの人・HSPを理解したい人におすすめの本

最後に、僕が実際に読んだ書物を紹介します。
最初は自己啓発を目的に読んでいたので、ビジネス書が多かったのですが、徐々に心理学の書物を読むようになりました。

アドラー心理学

これは有名ですね。僕も「話題になってるから読んでみるか〜」程度の気持ちで読みましたが、社会生活や対人関係における勇気をくれました。
HSPの人にとって、荷が重いかもしれませんが、幸せのためには、ときには一歩踏み出す勇気が必要です。

米国の作家 スーザン・ケイン

この人のTEDトークはとても有名になりました。これにより、「内向型」や「HSP」という言葉が、世間に知れ渡るようになったと思います。
研究も大事ですが、このような啓蒙活動も大事ですね。この人にはぜひ頑張って欲しいです。
www.ted.com

カナダの心理学者 エレイン・N・アーロン

HSPの提唱者。この人の研究成果が発端となり、スーザン・ケインさんの活動につながりました。
この方のウェブサイトでは、HSPの診断テストを受けることが出来ます。僕は、27項目のうち、25個が該当しました。

デンマーク心理療法士 イルセ・サン

心理学者アーロンさんのHSP診断テストを、さらに回答しやすく再編集した、HSP診断テストが巻頭にあります。
テストは全部で48の質問があり、点数は、最低-52から最高+140まであり、60以上でHSPの可能性があるそうです。僕は108点でした。